夏との闘いの勝敗の発表

さっき森茉莉の『貧乏サヴァラン』から「楽しむ人」を読んだ。
こんな段落があった。
「そういうものはほんとうの楽しさではない。皮膚にふれる水(又は風呂の湯)をよろこび、下着やタオルを楽しみ、朝おきて窗をあけると、なにがうれしいのかわからないがうれしい。歌いたくなる。髪を梳いていると楽しい。卵をゆでると、銀色の渦巻く湯の中で白や、薄い赤褐色の卵がその中で浮き沈みしているのが楽しい。そんな若い女の人がいたら私は祝福する。」
これは何か月か前の私みたいだと思った。
そして今の私の暮らしのつまらなさをつきつけられてしまった。
つまらないのは夏のせいだと思って、負けを実感してしまった。
食欲が損なわれ食べるのもいまいち楽しくないし、寝心地も悪くて眠る喜びも損なわれてるし、空気も布も肌に暑苦しいし、静物もぬるくて可愛くないし…(たとえば机とか、触ったときちょっとひんやりしていたほうが可愛いと思いませんか?)
夏の暑さとは関係のない辛いこともあるけど、でもそれだって冷たく乾いた空気とか、肌にあたる布のさらさらした感触とかが慰めてくれるなら今より苦しく感じないかもしれない。

今年も夏に負けた。
でも夏ももうあと1か月くらいしたら終わるだろうし、いちばん暑い時期は過ぎたし、もうふんばるのをやめて負けを認めて涼しくなるのを待てばいいかな。
でも来年の私はまた闘いに挑むのでしょう。6月にこれからの夏を全て諦めるなんてことはできないから、暑さの盛りを過ぎないとこうして負けを認めることは難しいでしょう。一旦負けた…もうだめだ…ってなってもやっぱまだいける!と気を取り直して闘いを再開するしかないでしょう。生きるのってけっこうたいへんですね…。

ところで明日は甘酒を飲んでみようと思う。
栄養がありそうだから買ってきた。
飲んだら元気が湧いたりしないかなと期待してる。
負けても死ぬわけではないし、生活は続くから、なるべく楽しく気持ちよく暮らせるようにいろいろ試してみることは結局やめない。
でも闘いは終わり。だるくて辛くてやる気がでなくてつまらなくてもしかたないやと諦めて、敗者として、夏が去っていくのを待ちます。

2023年の夏対翠ぱーかの闘い、翠ぱーかの負け!!!

2023年8月26日 翠ぱーか